No,10・・・鎌倉道
最終更新日:2019年1月25日
水谷から南畑地区にかけては、鎌倉道(かまくらみち)についての記録や伝承が多く残っています。
江戸時代に編さんされた『新編武蔵風土記稿』にも「奥州街道の名残」(水子村)、「鎌倉より奥州への古街道」(下南畑村)があると記されています。これらによると、針ケ谷から水子の台地縁を通って新河岸川を渡り、下南畑を経て羽根倉(志木市)へ向かう道でした。
市内の古道
県内の鎌倉街道は、府中から所沢・坂戸・嵐山に向う上道と、東京都北区から川口・与野・栗橋に向う中道が通っていました。市内を通る鎌倉道は、上道と中道を結ぶ脇街道であり「羽根倉道」とも呼ばれています。
水子には、今なお古道の面影を残している場所を、水谷第2集会所南側の卵直売農家付近、石井緑地公園内、みずたに幼稚園から八幡神社にかけて見ることができます。
みずたに幼稚園脇から幅1メートル程の道を下ったところにお井戸と呼ばれる湧水地があります。かつては地域の生活用水・農業用水として利用されていました。
祠には享保15年(1730年)銘の弁財天と琵琶を弾く弁財天が安置されています。お井戸の東側にある性蓮寺は、建立が中世にまでさかのぼる寺院です。難波田氏と関わりのある上田周防守の銘が入った五輪塔・宝篋印塔(天正5年(1577年)か)があります。また、お井戸の付近には、西に八幡神社、南に薬師堂墓地もあり、地域の人々の信仰の厚さをしのぶことができます。
観応2年(1351年)の羽根倉合戦で難波田九郎三郎を破った高麗経澄は、府中へ向う途中この羽根倉道を通り、お井戸で喉を潤したのかもしれません。
(写真上)お井戸
(写真下)石井緑地公園内の鎌倉道
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