No,19・・・富士見市内の坂
最終更新日:2019年1月25日
富士見市の地形は武蔵野台地と荒川低地に二分されます。台地の縁辺部では小河川の侵食により、起伏に富んだ複雑な地形になっています。そして昔から伝えられる七沢(上沢・羽沢・関沢・柿沢・権平沢・唐沢・南沢)の言葉が示すとおり、多くの谷が入り組んでいたことがうかがえます。この地形は、古くから生活用水に使われた湧き水など多くの恩恵をもたらす一方、斜面には数々の坂道が形成されました。今回は市内の坂をいくつか紹介します。
ギンバ坂
上沢の交差点からふじみ野市苗間方向に向かって下る坂道のことを「ギンパ坂」または「ギンバ坂」といいます。現在では緩やかな傾斜ですが、県道になる以前は急な坂道でした。この坂の近くで馬喰(牛馬の売買・仲介をする人)をしていた「銀八さん」の名前にちなんで地元ではこの名で呼ばれていたそうです。
土橋坂(つちはしさか)
鶴瀬駅前交差点から谷津の森の西側を通る県道の緩やかな坂道のことをいいます。坂の下を流れる権平川にかかる土橋へと通じる坂ということで「土橋の坂」と呼ばれていました。また、坂道の中腹に馬車を引く馬方の仕事をしていた「万兵衛」という人が住んでおり、暴れ馬を上手に扱うことで有名だったことから「万兵衛坂」とも呼ばれました。
尻たれ坂
下鶴馬の氷川神社から富士見台中学校へ向かって下る坂道のことをいいます。南畑方面から鶴瀬駅へ牛車や手車で荷物を積んで坂を登るのが困難で、尻が垂れ下がるようで登れないほどであったことから、こう呼ばれるようになったといいます。また坂の上に氷川神社が位置していることから「宮坂」とも呼ばれています。
ほかにも市内には多くの坂があり、その名前からも人々の生活と密接につながっていたことがわかります。名前の由来について考えながら歩いてみると坂道も楽しめるのではないでしょうか。
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