No,24・・・市内の地名[2]
最終更新日:2019年1月25日
市区町村内の区画には大字・小字があります。大字は明治期の合併によって消滅した江戸時代からの村の名や区画を自治体が引き継いだもので、小字はその村を細分した地名を指します。この小字も住居表示の導入や区画整理事業によって消滅していることが多いのですが、そのまま町名に引き継がれているものもあります。今回は市内に残る小字名について紹介します。
【羽沢】
鶴馬に七沢八寺として昔から知られる景観の七沢のひとつ。沢は谷間を意味します。今は現存しない西蔵寺近くの山から出ていた湧水で湿地となり、かつては西蔵谷と呼ばれたと伝えられています。開発前は水鳥が群れ、鳥が飛び去った後には抜け落ちた羽根が敷き詰められたようであったことから羽根沢と呼ばれ、現在の羽沢となったといわれています。
【殿山】
現在の富士見台中学校のあたりを指します。『新編武蔵風土記稿』にも「土人殿山と呼ぶ、高さ一丈許の丘にて廻りに堀の跡あり、砦など構へし所と見ゆ、爰も古の地頭宮崎氏の居跡なりと伝ふ」と鶴馬城についての記述があります。この記述が示すように江戸時代に代官が住んでいたことから起こった地名と思われます。昭和63年の発掘調査では城の存在を示す深さ約2mの大きな堀跡が確認されています。また、殿山の周辺に「黒貝戸」や「谷津貝戸」の小字がありますが、もとは私領の土地区画を示す「垣内」からきた城に関係する地名と考えられています。
殿山遺跡発掘調査で確認された掘跡1
殿山遺跡発掘調査で確認された掘跡2
【赤飯塚】
現在の上沢1丁目の東武東上線線路際周辺を指します。伝説によれば、開発前の雑木林が広がっていたころ、丘状の林にオトウカ(狐)の群れが住んでおり、食料が乏しくなると付近の畑を荒らし、蓄えや家畜に被害が及んで困っていたが、赤飯をつくってオトウカの住む林に供えたところ、荒らされなくなったと伝えられています。このことから、この地名が起こったといわれています。
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